Two Shores · One Sea · 2021 — 2026
逗子と南房総。海を隔てたふたりの歩みが、ひとつの「原っぱ」になるまでの記録。
Chapter Ⅰ — Soil & Sweat
あるご縁がきっかけで、木漏れ日の射す林のなかで初めて顔を合わせた。デジタルの話なんて、まだひとつも出てこない。

屋根の上で笑いながら、埃をかぶって手を動かした。つくる前に、まず壊すところから。

スコップを握り、みんなで土を掘り返した一日。遊びと労働の境目に、ふたりの関係の芯ができていく。

そういえば——AIのずっと前から、ふたりは重なっていた。
同じ波に乗り、同じ日本ミツバチを飼う。
海と蜂が、最初の“共通言語”だった。
Chapter Ⅱ — A Shared Language
島づくりのあと、ふたりはそれぞれの暮らしへ戻る。直接会わなくなっても、互いのSNSの発信は遠目に追っていた。どちらもAIに惹かれはじめている——その気配だけは、画面ごしに伝わっていた。
教育の催しで南房総に来訪したその翌日、ロースタリーで自作ボットの話に火がつく。ここから、デジタルの線が一本引かれた。
塚ちゃんのためのLINEボットをデプロイ。同じ月、初めてのオンライン対談に登壇——「AIと共に、野で暮らすことを面白がる」。
Chapter Ⅲ — Re-Ignition
塚ちゃんもまた、AIに深くのめり込んでいた。けれど構想は大きくなりすぎ、実務に耐えるものは生まれない。進化の速さに、いちど心が折れる。火は、消えかけていた。
そんなとき、もっちゃんを訪ねる。コーヒー焙煎という“暮らしの仕事”に、AIが当たり前に編み込まれていた。「これは大企業やエンジニアのものじゃない。自分の小さな営みを、ちゃんと拡げてくれる」——火が、もう一度灯った。
もっちゃんが火種を持ち込み、
塚ちゃんが、それを原っぱにした。
2025 · 春 → 夏
その火を、塚ちゃんはまず“場”にしてみる。ご縁を手繰って小さなサーバーを立ち上げ、本物のエンジニアたちと机を並べた。Cursor をはじめ、IDEやAIの最新を、毎日のように分け合う日々。集まりには、もう名前があった——「デジタル原っぱ大学」、縮めて「デジハラ」。まだ、ただの略称として。“集まって、学び合い、手を動かす”その形が、ここで先に芽を出していた。
Chapter Ⅳ — Resonance
波乗りの誘いは、いつだって突然でいい。相手は自然なのだから。東ウネリの予感を頼りに海へ出て、まず波をシェアする。そのあと焙煎所で、コーヒーを片手にAIのグループチャットを開いた。海から画面へ——入り口は、地続きだった。
AIとのチャットは、放っておけば一対一の閉じた対話になりやすい。けれど、それをふたりのグループチャットに持ち込んだ瞬間、画面の中に、お互いのAIの使い方がそのまま立ち上がった。横目で垣間見るのではない。もっと直接、相手の手の内が見える。
そこから先は、刺激と学びの連鎖だった。一人では決して辿り着けない場所へ、ふたりだからこそ届いていく。発火点は、もう目の前にあった。
「ジャズのセッションか、あるいは乗馬のジョッキーと馬のコミュニケーションを見ているようだった。……グループチャットの素晴らしさのひとつは、自分以外の人のAIとのやり取りを見て、そのエッセンスを盗むことにもあると思っております。」
塚ちゃん — 2025.12.18 のグループチャットより(原文ママ・抜粋)
これこそが、ふたりがのちに提唱することになる VIBES CODING、そのものだった。
特別な才能はいらない。相棒に AI がいて、隣に 仲間 がいれば——それは、誰の原っぱでも起こる。
「VIBES CODING」は、ポッドキャストの回を重ねるなかで、もっちゃんの口からこぼれた言葉。やがてデジハラのステートメントとなり、いまでは、この場を象徴する大切なキーワードになっている。
2026 . 01 . 03
正月明けの一日、
申し合わせもなく。
…それをイベント化して「デジタル原っぱハッカソンブートキャンプ」を開催。グループ分けしてそれぞれ何らかのプロダクトを開発して発表する。途中で素潜りでもサウナでもヨガでもドラム缶風呂でも良いから挟む。珈琲も豆から挽いてドリップする。デジ原の皆さまが講師陣!なんてね!!!
…そしてもっちゃんと新しい「学校」みたいなものをつくったらいいかな、なんてぼんやりと考えてた。「デジタル原っぱ大学」(← 当初の構想のそのまんまだ...)
実際のやりとりより(原文ママ・抜粋)
投げて、受けとめて、組み替えて、また投げる。
ひと巡りごとに、熱も解像度も上がっていく。
なんてね!!!
いちばん未来が詰まってる
“発火装置”。もっちゃんは火をつける人、塚ちゃんは火を育てる人
人ふたりと、AIひとつ。三つの声で同じ谷を掘るうちに、ばらばらだった直感が、ひとつの像を結んでいく。お互いのバイブスが、共鳴した。
打ち合わせもなく、同じ日に、同じ景色へ。
これが、すべてのはじまりの合図だった。
その合図から、数ヶ月。
原っぱは、ほんとうに開いた。
Digital Harappa Daigaku
消費者から、創造者へ。
「思考」と「実装」の距離を、
ゼロにする。
完成度は問わない。けれど必ず、自分の手でURLを生む。
コードが書けなくても、論理と情熱があればいい。
逗子のリアル合宿で「武器」を手に入れ、その日のうちに動かす。
オンラインで3週間。コードではなく「試行錯誤のログ」を分かち合う。
南房総で成果を世に公開。デプロイした事実が、心の壁を壊す。
原っぱは、期を越えて続く。
The Cohorts
物理的な距離はあっても、デジタルの海に境界線はない。
On the Ground — 現場
VIBES CODING
ひとりで画面に向かう VIBE に、
もうひとりが加わると、VIBES になる。
AIを相棒に、人をアンプ(増幅器)に。
——それが、ふたりで見つけた原っぱ。
土を掘り、波に乗り、蜂を飼い、そしてコードを書く。
暮らしとデジタルのあいだに、線を引かないふたり。
その手が、いま、AI時代の原っぱを耕している。
The Two